株式会社ホクソエムのブログ

R, Python, データ分析, 機械学習

法人としての価格設定問題からの、おじさんエンジニアの辛さと賃金の関係性

株式会社ホクソエム常務取締役のタカヤナギ=サンです、主にバックオフィス業務を担当しています。

自分メモに書き溜めていたポエムネタが溜まってきたので少しずつ放出していこうと思い筆をとりました。 「いや、そんなもん会社のBLOGに書くんじゃねーよ💢」という話があるかもしれないですが、ここは私の保有する会社なので何の問題もない、don't you?

これは何の話なの?

以前、社のお若い方が技術的に楽しそうな案件を持ってこられて、その価格設定をどうするかについて悩まれておられた時がありました。

その際に社内のSlackにいわゆる”おじさんの小言”のようなものをちらほら書いていたので、それを改めて文章にし、更に「あ、この話は私がちょいちょい感じているおじさんエンジニアの辛さと賃金の話にもつながってくるな」思い、そことも絡めて書いたものになります。

法人としての価格設定問題

既にご存じの方もいるかもしれないですが、弊社は全員が副業として回している会社で21世紀にふさわしい働き方改革ダイバージェンス2020を体現した会社となっております。 なので、OSSを開発するかの如く「うわぁ、この案件技術的に超楽しいナリ〜」と土日を潰してほぼ無料のご奉仕価格で開発しちゃうというのもありといえばあり、”ありよりのあり”になるのですがそれはやっていません。

なので、”ありよりのなし”、です。

「なんでじゃい、楽しければお安く引き受けてもいいんじゃないんかい💢(表現はもっとマイルドで低姿勢)」とお若い方がご本人の謙虚さからくる面もあってそう言われていたのですが、そこを諭す際によく引用させてもらっているのがこの「とんかつ屋の悲劇」という記事です。これを一部引用させていただくと

年金が形を変えた補助金に?  「何十年も変わらない値段と、チェーン店ではありえない品質の高さと格安さ」などとグルメサイトでも称賛されていることが多い。しかし、それを可能にしているのは、すでに減価償却の終わった古い設備、ローンを払い終えた自社店舗、そして年金をもらいながら夫婦で切り盛りしていることなどだ。  ある意味、年金が経営継続への補助金のようになっているわけだ。こうした経営を続けてきた場合、いよいよ世代交代の時期になると若い現役世代にはとても生活をしていけるだけの収入を得ることができない。  「そうなってから、急に値段を大幅に上げるなどはできないし、設備更新などに多額の費用がかかるので、後継者にとっては重荷になるでしょう。」商業関係の支援事業を行う行政職員は、そう話す。先の外食産業の社員も、「夫婦二人で一人分の給与しかなく、それでやっと可能になっているような低価格がウリでは、いくら有名でも、のれん代を出してまで買収する意味はあまりない」と言う。

news.yahoo.co.jp

という話です。

要するに「(ご本人らは年金で食えるので)善意から値上げをしていないのかもしれないが、結局はそれが過度な価格下落競争を生んで、近隣の似たような(この場合だととんかつ屋をやりたいお若い方の)店を強制的に廃業に追い込でいる」という話になるわけです。

これに絡めて「いいかい?俺たちはとんかつ屋の悲劇を起こしてはいけない。技術的に面白い(主にRの)話だからといってもめちゃ低価格で引き受けるのはやめよう!それは巡り巡ってお若いRユーザの芽🌱を摘むことになる(Rが儲からない言語になるのは悲しい😢)」という話をしていたのです。

うんうん、わかる、過度なダンピングよくない、それは強制的に海を赤く染める行為なわけです(しかもそこに流れる赤い血は自分のものではなく人のもの)。

おじさんエンジニアの辛さと賃金

これと同じ話が一個人のおじさんエンジニアの賃金にも当てはまってくるぞと、もうちょっと機械学習っぽくいうと”おじさんエンジニアの辛さと賃金”というトピックベクトルは良い感じに”法人の価格設定問題”空間に射影できるぞと、そういうことです。

え?何が関係あるのかって?ちょっと落ち着いて私の経験を聞いて欲しい。

私自身は社会人歴14年で転職を繰り替えしたりホクソエムったりで、合計6社ほどの経験があるのですが、転職の際に年収を2~300万円ほど下げて転職した経験が2度ほどあります。 その意図は「正直、自分を優秀な技術者と仮定するならば、そのうち成果出して給料もあがるだろうし昇給がだめなら転職/副業すればいいや〜」くらいの楽観論が根底にあります。 その一方で、更にガッツリ年収を下げる(年収300万円くらいになるイメージ)のはいくら副業で稼げてもNGです。

もともとの「法人としての価格設定問題」の考えてに至った原点も実はこのへんにあります。 以前、同僚(私の心の中のインフラクラウド師匠)だった方が

「某D社では技術的に凄いおじさんエンジニアがたくさんいるんだが、彼らは全然給料交渉をしない。そして僕らは彼ら技術的に凄いおじさんエンジニアと給料を比較されるので僕らが交渉しても給料がまるで上がらないんだ。だから転職した。」

という話をしていてこれが原点です、めっちゃ印象的でした(かれこれ4〜5年前です)。 それまでは社会を知らなすぎてこの視点が私にはまるでなかったのです(当時社会人8年目くらい)、 pip install 社会性 が実行された瞬間ですくぅぅ。

もちろん人事(あるいは採用コストを管理されてる方々)の側としては「いや、技術的にめっちゃすごいおじさんエンジニアXさんの年収がY円なのに、それより技術的に優れていない(私から見れば優れているんだけど&色々パクらせてもらった)君(インフラクラウド師匠)の給料を上げる必要なくね?」と主張できるわけです。 いや、人事殿らの意見わかる、実に筋が通っている。その通りや!

この場合、誰が(お若い方の給料を上げるという観点で)悪いのかというと私は技術的に凄いおじさんエンジニア氏らだと考えます。 じゃぁどうすべきなのか?犯人探しや批判は猿🐵でもできるので、私のこの状況における解決策とボヤキを書くと

「技術的に凄いおじさんエンジニアはお若い方のお賃金上昇に迷惑をかけないように、会社の売上を上げる(あるいはコストを下げる)ような成果を出して、ある程度の高給を交渉して取っていく必要がある。 はぁ、おじさんエンジニアは辛いな、技術的なことだけ考えていてぇ」

となるわけです。 技術的に凄いおじさんエンジニア、ヤッテイキたい。

そんなポエムでした。 ・・・次回もまた、見てくれよな!