監修させていただいている評価指標入門なんですが、株式会社ホクソエムの代表取締役CEOである私、牧山幸史(以下、コージー牧山)、はじめてこの企画を聞いた時は「その特徴は単に評価指標をまとめた辞書やないかい!そういう”売れそうだから書く”みたいな商業的なマインドが学術界の価値を貶め云々」と思ったのですが、上梓された高柳さん(タカヤナギ=サン)の壮大なるお話を聞いているうちに「これはひょっとして数理モデリングとしても奥深い世界が広がっているの?面白いかも!」と思い監修社として名乗りを上げた次第です。
一方、本書の内容と皆様の期待値がややズレているのではないか?と不安には思っておりまして、これは監修社として一肌脱いでおかなければいかんなと、自然界に存在する第5の力「期待値調整力」を見せなければならないなと思い筆を取った次第です。
以下、私、コージー牧山の視点で「書いてあること・書いてないこと・書きそびれた」ことをここに記すことにより潜在、あるいはすでに予約されてしまった方々への期待値調整とさせていただきます。
書いていること
まずMAEやRMSE、またAUCやF値などベタベタな評価指標については網羅的ではないですが説明しています。また「結局、方針としてどういう評価指標を選んだらいいんだ?」という問いに対する答えも用意しており、その”答え”を御社のビジネスに適用するための考え方、及びその考え方に則ったいくつかの例を示しています。コージー牧山的には評価指標自体よりも、”考え方”の方が重要だと考えており、そちらの点を厚めにやって欲しいなと執筆陣にお願いしこのような形となりました。こう考える詳しい理由は次の”書いていないこと”を参照ください。
書いていないこと
逆に書いていないことでいうと「学術書・論文から評価指標を徹底的に調べ上げ全列挙」はしていません。これは本質的に無意味です。なぜなら、仮に全列挙していたとして、読者が「どこかに私の問題を解くための答えがあるんじゃないか?」と期待し辞書を”A”から”Z”まで全てBrute Forceに探索するようなものだからです。しかし、そもそもそこに答えはないと。結局のところ、”私の問題”が固有すぎてヘルスチェックの意味で教科書的な評価指標を使えはせよ、都度都度自分たちのやっていることに対して合わせて妥当な結論を出すべきであるとコージー牧山は考えます。私以外私じゃないんです、当たり前だけどね。
書きそびれたこと
相当な言い訳ですが、今回はスケジュールやコージー牧山・執筆陣・編集含めた制作部隊の楽屋/舞台裏がかなりグチャグチャしてしまったため、書き損ねている話が結構出てしまいました。例えば
- カリブレーションとは何か?どういう場面で重要になるのか?評価指標とどう関連するのか?
- 推薦/ランキングでの評価指標
- LTVなど評価指標を用いて陽に書き下すことが難しい問題への処方箋
- データサイエンティストなら誰もが持っていた第六感
- AIの心を壊すとある星の光
- PoC死の他にあった4つの結末
などがあります。少なくとも1つ目については追々、本BLOGか技術評論社さんのサイト上で記事として公開したいと思います。
以上、ご購入検討の際に本文章がお役に立つと幸いです。
※この文章は株式会社ホクソエム開発”HoxoGPT”のサポートを受け執筆されました